顎が原因で様々な症状が

顎関節症とは「顎が痛い」「顎が疲れる」「口を大きく開けられない」または「音がする」などの様々な症状を指します。また、肩の痛み、頭痛、視力・聴力の低下など、顎そのものの症状ではないものの、顎の関節が原因となる症状もあります。
そして、顎関節は医療法で歯科医師しか治療できない部位です。
医師は顎関節を治療してはいけないので、鎮痛剤や筋弛緩薬ぐらいしか処方できません。
歯科医師が顎関節の専門です。歯科の領域です。
こんな症状があったら
顎関節症の可能性が
- 口を開けようとすると痛い
- 口を大きく開けられない
- 口が閉じづらい
- 顎を動かすと「カクッ」と音がする
- 急にかみ合わせや、ものを噛む感じが変わった気がする
以下の症状も顎関節症が原因の可能性があります
- 頭痛、肩こり、腰痛
- めまい、耳鳴り、難聴、飛蚊症
- 睡眠障害
- 顔面神経痙攣
- 味覚障害
- 甲状腺機能障害
- 月経困難、不妊、婦人科系疾患
- 男性不妊
- 乳腺異常
- 成人夜尿症、頻尿、貧尿
顎関節症の主要な症状
痛み
顎関節症があると、口を開けたり閉じたりするときに痛みを覚えることがあります。痛みの発生箇所は、下顎頭に関係する「顎関節」と咬筋や側頭筋などの「咀嚼筋」に分かれるのが一般的です。
ほとんどのケースで患者さまは顎の周囲が痛いと認識しています。そのため、治療の際は痛みの原因が関節か筋肉なのかを正確に分析する必要があります。
開口障害
顎にトラブルのない方は、人差し指から薬指まで3本を縦にして口に入ります。しかし、顎関節症が起こると、お口を大きく開けられなくなり、3本も指が入りません。開口障害の原因は筋肉、関節の痛み、顎関節の癒着など様々です。特に多いのが顎関節の関節円板が詰まったことで起こるクローズドロックと呼ばれる現象です。このような場合は、マニュピレーションという治療で詰まりを少しずつ解消していきます。
関節雑音
口を大きく開けた際、「カックン」「シャリシャリ」「ガリガリ」といった音が鳴ることがあります。音の種類によって、トラブルの起きている箇所が異なるのが特徴です。関節円板の位置がズレて、お口の開閉時に戻ろうとする際に、カックンという音が生じやすいと言われています。また、関節円板が変形し、擦れ合うとシャリシャリといった特徴的な音になります。関節雑音が聞こえるときは、顎関節症がある程度進行していることから、症状が重くなるのを防ぐためにも早急に治療を行ないましょう。
その他の症状
顎関節は筋肉や神経など様々な組織が密接に関わっています。そのため、トラブルが起こると歯の痛み、睡眠時の歯ぎしりや噛み締め、頬の内側の粘膜を噛んでしまう、姿勢の悪化・頭痛・めまいなど様々な悪影響を及ぼすリスクが高まってしまうのです。
顎関節症の原因

顎関節症の原因は様々です。神経系の異常、外傷・噛み合わせの異常、精神的な要因など多くの因子が絡まっていることもあります。ただ、なかでも多いのが歯ぎしりや食いしばりにより噛み合わせのトラブルです。そこで治療法としては、顎関節への負担を緩和するマウスピース(スプリント)を就寝中に装着したり、食いしばりを止めるような指導を行ったりします。
顎関節症の治療
保険診療では、噛み合わせの調節、歯ぎしり食いしばりからのダメージ防止用ナイトガード、関節円盤保護のための簡易的なスプリント、痛み止めの投与などを行ないます。
ひどい場合は、外科的処置を病院で受ける事になります。
顎関節を手術で治しても、悪くなった原因そのものを取り除けていなければ、時間と共にまた悪くなりますので、最近では、外科的な手術は日常生活困難がない限り、行わないようです。
噛み合わせを上げるだけの簡易なスプリント療法や顎関節の手術は保険診療に組み込まれていますが、メタトロン検査、ストレス改善指導、マイナスイオン療法(要紹介)、鍼治療、レーザー治療、特殊なスプリント治療・ヒーリング治療(要紹介)は、保険診療の項目にありません。自由診療となります。
顎関節症治療の料金
料金については以下をご覧ください。
顎関節症治療の注意点
- スプリントを使用する際は装着方法を守らないと、十分な効果を得られない場合があります。
- 歯科以外に原因があると考えられる場合は、矯正治療などをすすめるケースがあります。
- 顎関節症を放置している期間が長いと改善しません。別の医療機関をすすめるケースがあります。
歯ぎしり・食いしばり

歯や周辺の骨などは硬いものを噛む時よりも、持続的に力が加わったほうがダメージは蓄積しやすい傾向にあります。つまり、歯ぎしりや食いしばりを日常的に行っている方は、長い目で見ると、歯がすり減ったり、欠けたり歯の寿命が短くなってしまうのです。特に最近の研究では歯ぎしりや食いしばりは、歯周病の進行を加速させることが明らかになってきました。また、歯ぎしりや食いしばりによって顎関節症が生じると、顎の痛み・頭痛・耳鳴り・肩こり・めまい・集中力の低下など多くの不調の原因になることもあります。歯ぎしりや食いしばりはご自身では認識しづらいものです。そのため、当院では綿密な検査をもとに現状を分析いたします。
歯ぎしり・食いしばりの怖さ
歯がすり減る(歯が小さくなる)
ギリギリと激しく歯どうしをこすり合わせると、歯がすり減り、柔らかい組織(象牙質)が見えてきて、しみたり、痛みを伴うことがあります。ひどい場合は、神経を取る必要が出てくることもあります。
歯が割れる(亀裂が入る)
過度な力が加わることで、歯に亀裂が入ります。歯が薄くなり、歯の強度が落ちると割れてしまいます。神経を失っている歯に歯ぎしりと食いしばりがあると格段に割れる可能性が高くなります。
骨が溶ける(歯周病が悪化する)
過度な力により、歯の骨を破壊し、歯が揺れてきます。元々歯周病を患っている場合は、歯ぎしりで歯を支えている歯周組織に炎症が起こり、歯周病がより進行します。
詰め物・被せ物が外れる(虫歯になる)
力のかかり具合によっては、被せ物や詰め物が外れます。また過度な力により接着剤の強度が落ちて、隙間から虫歯菌が繁殖してしまいます。
ストレスや噛み合わせなど、歯ぎしりや食いしばりの原因は多種多様です。ただ、既に発生している歯ぎしりや食いしばりに関しては、マウスピース型のナイトガードを装着することで、歯へのダメージを軽減できます。装着のタイミングも就寝時のみなので、問題なく日常生活を過ごせます。当院では患者さまのお口の状態に合わせたナイトガードを取り扱っていますので、歯や全身にトラブルが起きる前にぜひ来院をご検討ください。