ご存知ですか?先天性欠如って・・・
10人に1人の子供に歯が足りない・・・?!
3歳くらいで完成する乳歯は全部で20本。
それが6歳から12歳くらいにかけて顎の成長と共に永久歯へと生え変わり、
親知らずを除くと28本の歯並びになります。
生まれつき歯の本数が足りない状態を「先天性欠如」と言います。
先天性欠如は、歯のもとになる「歯胚(しはい)」が何らかの理由で作られないことで起こります。
原因は明らかになっていませんが、遺伝や薬の副作用などが影響していると考えられています。
★どれくらいの人が欠如している?
歯科を受診した7歳以上の子ども1万5544人のうち、乳歯の先天性欠如があったのは75人(0.5%)
永久歯の先天性欠如があったのは1568人(10.1%)となっています。
上顎に欠如がある場合は2.5%、下顎にある場合は5.7%、両顎にある場合は1.9%、
前から2番目と5番目に欠如が多いという結果が出ています。
歯茎の中で永久歯が十分に育って萌出を始めると、その上にある乳歯の根が吸収されて短くなり、やがて抜け落ちます。
永久歯が育たないと乳歯の根は吸収されず、大人になっても永久歯が生えるスペースに乳歯が残ったままになります。
永久歯が欠如している場合は、乳歯を出来るだけ長く残すようにしますが、乳歯は永久歯に比べて根が浅く、
歯質自体も永久歯より弱いため、永久歯の代わりに一生残すことは非常に難しいです。
★先天性欠如の治療方法
歯が失われたままの状態が長く続くと両隣の歯が欠如部位に向かって倒れて来たり、欠如部位と反対の歯が伸びて来たり
噛み合わせを悪くし、骨格の歪みにも影響します。
● 乳歯の先天性欠如の場合・・・
乳歯の本数が足りないからといって、必ずしも永久歯の本数が足りなくなるわけではないので
ほとんどが経過観察になります。
永久歯に生え変わる7歳頃までに、口の中全体を見ることができる
『 パノラマエックス線写真 』を撮影し、永久歯に先天性欠如がないかを確認しましょう。
● 永久歯の先天性欠如の場合・・・
① 乳歯を出来るだけ長持ちさせる
乳歯に先天性欠如がなかった場合でも、永久歯に先天性欠如が見られることがあります。
歯並びや咬み合わせに問題が起きないよう、今ある乳歯をできるだけ長持ちさせ
永久歯の代わりの歯として使うことが優先されます。
( 乳歯は永久歯より小さくて弱いうえに、虫歯になると進行しやすいので、
虫歯の予防をすることが大切です。)
② 矯正治療
乳歯が抜けてしまったら、顎のバランスや咬み合わせなどを見ながら矯正治療を行います。
歯と歯の間のスペースを閉じたり、残った乳歯をあえて抜いてそのスペースを閉じたりすることで、
咬み合わせを安定させます。
③ブリッジ・インプラント治療
乳歯が抜けてしまったり、足りない歯の本数が多かったりする場合は、
インプラントやブリッジで歯を補うこともあります。
成長期であれば、足りない部分に部分入れ歯を使用することもあります。
年齢に応じた治療方法が大事!!
治療は長期的になることがほとんどですが、治療を行えば少しずつ歯並びや咬み合わせが改善されます。
いつでもご相談下さい。